全般性不安障害の症状
- 先のことを常に心配している、将来の不幸に関して過度に不安がある
- 自分または家族がすぐにでも病気になるのではと過度に心配している
- 不吉な予感がする、事故にあうのではないかと過度に心配している
- 不安や心配を自分でコントロールできないと感じている
- 緊張している、動悸がする、手が震える、肩が凝る、頭痛がする
- いらいらしている、集中できない、そわそわして落ち着きがない、くつろげない
- 頭がふらつく、めまいがする、疲れやすい、眠れない
Generalized anxiety disorder
全般性不安障害とは、仕事や学業などの多数のできごとや活動において、過剰な不安と心配が、数か月以上、ほとんど毎日のように続いていて、その不安や心配を制御することが難しいと感じている状態の疾患です。
不安、心配の他に、いらいら感、集中困難、落ち着きのなさ、緊張感、発汗、頻脈、手の震え、筋緊張性頭痛、不眠なども伴うことがあります。全般性不安障害の生涯有病率は約5%であり、比較的よくみられる疾患です。この疾患の男女比は1対2で女性が多く、発症年齢は成人期の初期が多いです。しばしば慢性の環境的ストレスと関連しています。その経過はさまざまですが、動揺し、慢性化する傾向を示します。一卵性双生児では50%、二卵性双生児では15%の一致率であり、ある程度の遺伝的な要因が推測されています。
全般性不安障害の治療には、薬物療法、精神療法を行います。薬物療法では、抗うつ薬、抗不安薬を使用します。抗うつ薬ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬のイミプラミンを用います。抗うつ薬は飲み始めから効果発現までに2週間程かかります。抗うつ薬の効果により症状が落ち着いたら、抗不安薬を徐々に減量し、抗うつ薬も徐々に減量していきます。精神療法では、支持的精神療法や認知行動療法を行います。全般性不安障害の治療期間は6~12か月間とみなされています。再発することもあり、慢性化し治療が長期間にわたることもありますが、根気よく治療を続けていきましょう。
参考文献
カプラン臨床精神医学テキスト
ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル