うつ病の症状
- 気分が落ちこむ、憂うつ
- やる気、意欲が出ない
- 以前は楽しめたことに興味や喜びを感じない
- 食欲がない(または食べ過ぎる)
- 眠れない(または眠りすぎる)
- 思考力が低下、集中力が低下、決断力が低下
- 自分を責めてしまう、自分には価値がないと感じる
- 疲れやすい、だるい
- 消えてしまいたい、いなくなりたい
Depression
うつ病は、気分の落ちこみ(抑うつ気分)、意欲の低下、興味・喜びの減退、食欲低下、不眠、思考力や集中力の低下、無価値観や罪責感などの症状があらわれる病気です。
うつ病の発症には、体質的な要因、心理的な要因、環境的な要因などが関与していると考えられています。きっかけやストレスがなく発症することもありますし、ストレスなどが影響している場合もあります。うつ病では脳内の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのバランスがくずれた状態であると考えられています。日本におけるうつ病の生涯有病率は約6.5%と推定されていますが、米国の17%と比べると少なすぎるため、受診率の低さなどが影響しており、実際はもう少し多いと推定されます。
うつ病の治療には、薬物療法、精神療法、休養などがあります。
薬物療法では、主に抗うつ薬を使用します。抗うつ薬は飲み始めてから効果発現までに2週間程度の時間がかかります。抗不安薬や睡眠薬と少量の抗精神病薬なども補助的に使用します。軽症のうつ病では偽薬と比較して抗うつ薬の有効性が示されないことが多いため、生活指導と心理教育や支持的精神療法などを優先的に行います。精神療法の中では、認知行動療法が中等症以上のうつ病で有効性が証明されています。認知行動療法とは否定的な認知の歪みと不適切な行動様式などを、柔軟で肯定的な考え方や新たな適応的な認知に修正し、適切な反応や社会的行動などを学び身につけていく方法です。うつ病の治療に、職場や人間関係などの環境調整や休養が必要となることもあります
参考文献
日本うつ病学会治療ガイドライン2016
精神保健福祉白書2013
カプラン臨床精神医学テキスト
ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル